大切に育てている植物に、白いふわふわしたものがついていて二度見したことがあります。ゴミがついたかと思いきや、カイガラムシの襲来でした。
カイガラムシは植物の汁を吸い取る性質があり、放置すると枯れてしまう可能性があります。植物を守るには、正しい知識と対処法を身につけることが大切です。
今回は、カイガラムシの特徴や駆除方法、再発を防ぐポイントを解説します。
カイガラムシとは?
カイガラムシとは、セミやカメムシの仲間に分類される害虫です。体長は2mm〜10mm程度と小さく、草花・庭木・観葉植物・果樹など、幅広い植物に寄生します。
日本国内だけでも約400種類が確認されており、貝殻のようなタイプや白い綿状のものなど、見た目もさまざまです。植物の葉や枝、幹に張り付いて汁を吸う特性があるほか、見逃せば大繁殖につながるおそれがあります。そのため、発見した場合は早めの対処が不可欠です。
カイガラムシが発生する理由
カイガラムシを防ぐには、発生する理由を把握することが大切です。ここでは、3つの発生ルートを解説します。
換気によって侵入した
カイガラムシは体が非常に小さく軽量であり、風に乗って移動可能です。換気で窓を開けた際、外から風で運ばれてきたカイガラムシが室内に侵入し、観葉植物に付着するケースは多いでしょう。また、種類によっては羽があり、自ら飛んできて侵入することもあります。
そのため、室内に植物を置いている場合でも安心はできません。特に風の強い日の換気には注意しましょう。
購入時から潜んでいた
ホームセンターや園芸店で購入した植物に、最初からカイガラムシが潜んでいるケースも少なくありません。カイガラムシの幼虫は1mm程度と小さいため、購入時には気が付かない可能性があります。カイガラムシがついている観葉植物を新たに持ち帰った場合、既存の植物にまで広がる事例も多いでしょう。
植物を購入する前に、葉の裏や枝の付け根を念入りにチェックし、購入後はしばらく他の植物とは離して管理すると安心です。
衣服に付着していた
カイガラムシが発生する原因として、衣服や持ち物を介した持ち込みが挙げられます。例えば、屋外でガーデニングをしたり、植物の近くを歩いたりした際に、気づかないうちに衣服へついてしまい、そのまま室内へ侵入するケースが考えられるでしょう。
そもそもカイガラムシは体長が小さく、目視で確認するのは困難です。屋外から帰宅した際は、衣服を軽く払う習慣をつけて、未然にカイガラムシの侵入を防ぎましょう。
カイガラムシによる3つのトラブル

カイガラムシを放置すると、植物にさまざまなトラブルを引き起こします。被害は寄生している植物だけにとどまらず、周囲にまで広がるケースも少なくありません。ここでは主なトラブルを3つ解説します。
植物が枯れる
カイガラムシは植物の葉や枝、幹に寄生して汁を吸い続ける性質があります。そのため、寄生された植物は、成長に必要な栄養を十分に取れなくなる点に注意が必要です。
寄生数が少ないうちは目立った変化がわかりにくいものの、被害が進むにつれて新しい葉や枝の育ちが悪くなります。最悪の場合は枝かれが起こるほか、放置すれば株全体が弱って枯死してしまう可能性も否めません。このように症状が出てからでは対処が間に合わないケースも多く見られます。
すす病が発生する
カイガラムシが引き起こすトラブルは、植物への直接的な吸汁被害だけではありません。カイガラムシの排泄物には糖分が多く含まれています。その上に「すす病菌」というカビが繁殖すると「すす病」が発生するリスクがあります。
すす病にかかった植物は、葉が黒いすすに覆われたような状態になる点が特徴です。その結果、見た目が損なわれるだけでなく、光合成が妨げられ、生育にも大きく影響しかねません。
放置すると他の植物にも影響する
カイガラムシは、寄生した植物だけでなく、周囲の植物にまで被害が広がるおそれがあります。体の小さな幼虫は、風に乗って移動するほか、鉢同士が近い場合は接触により隣の植物に移ることもあるでしょう。
また、カイガラムシの排泄物はアリの餌になります。そのため、植物にアリが登る数が増えた場合は要注意です。アリ自体は植物に大きな影響を与えないものの、共生関係が続けばカイガラムシの繁殖につながりかねません。
カイガラムシを駆除する方法

カイガラムシを発見したら、早めに駆除することが重要です。ここでは代表的な2つの方法を紹介します。
ピンセットでとる
カイガラムシの数が少ない場合や、発生初期の段階では、ピンセットや歯ブラシを使って直接取り除きましょう。薬剤を使わないため、植物への負担が少ない点がメリットです。特に、硬い殻やロウ物質に覆われて薬剤が効きにくい成虫にも効果的な方法といえるでしょう。
なお、作業をする際は、葉や茎を傷つけないように注意する必要があります。優しく取り除いた後は、再度付着しないように袋に入れて処分すると安心です。
薬剤を散布する
カイガラムシの幼虫を駆除するには、市販の殺虫剤を散布する方法も有効です。一般的には、5〜7月が駆除に適した時期とされています。月に2〜3回程度、葉の裏表にまんべんなく散布するとよいでしょう。
カイガラムシの姿が見えない場合でも定期的に散布しておくことで、被害の拡大を防げます。薬剤を使用する際は、必ず用法や対象植物を確認してから使いましょう。
カイガラムシから植物を守るポイント
カイガラムシの被害を防ぐには、駆除だけでなく日頃からの予防も重要です。ここでは、実践しやすい2つのポイントを紹介します。
風通しの良い場所に置く
カイガラムシは風に乗って移動する性質がありますが、風通しが悪くホコリが溜まった環境に定着する傾向にあります。そのため、繁殖を抑えるには、風通しの良い場所に植物を置くことが大切です。
室内で観葉植物を育てている場合は、置き場所の工夫だけでなく、定期的に剪定して枝葉の込み合いを解消すると風通しが良くなります。カイガラムシが好む環境を避けて、被害のリスクを下げましょう。
日頃から細かくチェックする
カイガラムシは体が非常に小さく、発生初期は気が付かない方も少なくありません。しかし、被害が広がってからでは対処が遅れてしまいます。そのため、普段からこまめに植物を観察して、小さなカイガラムシを見逃さないようにしましょう。
特に、葉の裏や枝の付け根はカイガラムシが潜みやすい場所です。できれば毎日、最低でも週に1回程度はカイガラムシのサインである白いフワフワや葉の変色がないかチェックしましょう。早期発見が早期対処のポイントです。
こまめに観察してカイガラムシから大切な植物を守ろう
カイガラムシは小さな害虫ですが、放置すれば植物が枯れてしまうほどの被害をもたらします。発生原因を理解したうえで、風通しの良い環境づくりや日頃からの観察を習慣にすることが、被害を防ぐ近道です。
万が一カイガラムシを発見した際は、ピンセットや薬剤を使って早めに駆除しましょう。大切な植物を守るために、今日からこまめな観察を始めてみてください。
カイガラムシがつきやすい植物の一つが、ソフォラです。こちらの記事もチェックしてみてくださいね。


